U 宇宙の秘密、全部教えるどすえ。 |
5. 「ルール」で守る、あなたのこと。(2) |
So you don't have to worry, worry 守っ〜〜てあげた〜い。あなたを〜 苦し・め・る すべ〜ての ことから cause I love you〜、コ〜ザ〜イ ラ〜ブ ユー。 というわけで一週間のご無沙汰でした。グリーン星人のミミ・萩原、じゃなくてミミ・コステロです。今日はみなさんに、愛する人の護り方をお教えしようかなと思っております。そちらにほら、昔ながらのヤンキーの方がおられたでしょう。どうぞお立ちくださいな。は〜い、みなさん拍手拍手! ところで、フォーワンの兄ちゃん、あなたには大切な人がいますか? 「そりゃ、いまスっす。何せもう、歳も歳なんで、レコってんですか? まぁ、かあちゃんですが、 それが一人と、あと娘が二人、まぁ、オレが言うのも何ですけど、二人っとも結構美人っつうか、 一人はローラに似てるってよく言われるらしくて、もう一人は、若尾文子に似てるって良く言われ るって言ってました。後、チーム・エスカルゴの仲間も大切ですし、まぁ両親も健在なので、 大切かなぁ、あと....」 まぁまぁ、それだけ大切な人がいらっしゃるなら、大層お幸せな人ですね。大勢の人に大切にされるよりも、大勢の人を大切にする人生の方が、はるかにこの宇宙では良き人生ですからね。では、もうひとりお伺いしましょう。確か、変な外人さんがいらっしゃいましたね。どちらですか? 「チョットイイデスカ? ゴフンイイデスカ? う、うん。 このフレーズだけは言わせて貰わない と、恥ずかしいもので。」 それ言う方が恥ずかしいと思いますが、どうですか、あなたにも大切な人はいますか? 「私は、何より、イエス様が大切なお方です。それから、私の教会に来てくださる信者の方々、 もちろん私の家族、妻と一人息子と愛犬の「パフィ」、ゴールデン・レトリバーなのですが、 この子も大切です。」 そうですか、あなたも大切な人がたくさんいて、お幸せですね。ところで、愛犬の話が出ましたが、私達のグリーン星でも、愛玩動物はいるのですよ。昆虫か軟体動物ですが。でも、みなさん ![]() さて、お二人にお尋ねします。お二人は、大切な人や愛犬を守るために何をしてらっしゃいますか? 「守るって? どいうことスか?」 「しょーゆ〜こと!」 「冗談はやめれ!」 いや、私がお聞きしているのですよ。「あなたを守る風になってぇ〜」とか、「守ってあげたい」とか、みなさんの星で流行る歌の歌詞には、「守る」という言葉がたくさん出てくるし、あなたの星の女性でも男性でも「守ってあげる」なんて異性から言われると「ムネキュン」しちゃうってそこにいるやつから聞いたものですから、一体何から、どうやって守ってあげるのかについて聞きたいのですよ。 「いや〜、そう言われても、それはその〜、場の雰囲気っていうか、歌ってものの、語呂合わせみたい なもので、具体的なことを聞かれてもッスね、なぁ神父さん、おめぇなんとか言えよ」 「人間社会は危険なところですから、いつ暴漢に襲われるかもわからないし、また、嫌味なことを言う 人もイケズなことを言う人も多いんですよ。人なんて、本当に何をしでかすかわかったものではない ですから、そう言う意味で、そう言う人から守ると言うのではないかと。」 なるほど、守ってあげたいというのは、「人から」守るというわけですね。分かりました。ではどうやって守りますか、そういう「人」から? 「どうやって? どうやってって、言われてもですね.....。ヤンキーおじさんなんとか言ってよ!」 「いや、そうッ〜スね、そりゃ、危ないところへは行っちゃいかん、とか、あやしい男に付いて 行っちゃいかんとかッスね、注意しますッスよね。ほんで何かあったら、やっぱ、戦うしかない ッスよ。」 なるほどねぇ。先日、そこにいるやつの目を通してテレビを見ていたら、「中国」と言う国の人たちがみなさんの国に対する抗議のデモをして、それが暴動になっているところを見ました。それでコメンテーターと呼ばれる人たちの中で、頭の悪そうなお年寄りが、「民度」という言葉を口にして、中国の人たちの「民度」が低いから、まともに取り合ってはいけない、とか話しておられました。でもですね、みなさんもまた 、「民度」の低いことをたくさんなさってますよね。関東大震災の時には、「朝鮮人」と呼ばれる人たちにひどいことをしましたよね。また、自分たちの国の「国体」とやらが危うくなると他国への侵略もしましたよね。「大東亜共栄圏」などという大義名分を引っさげてはいますが、結局は自国の利益になることのために他国を侵略したのですよね。それは随分と「民度」の低いことだと思いますが、どうでしょうか? 私は、みなさんを批判するのではなく、「民度」などというものは、時代や情勢によって変わるものだということを知ってほしいのです。今の中国には「格差」が広まって、人々の政府への鬱憤が溜まっているのだから、それで「民度」が低くなっているのですから、それは人々のせいではありません。みなさんも、同じことです。今の暮らしに不満が高まったら、みなさんも同じことをします。だって、同じことをしないという理由や根拠がどこにもないからです。みなさんは「打ち壊し」や「米騒動」はもうしませんか? 「非人」「穢多(えた)」などという身分を作ったりはしませんか? 暮らしが今よりもずっと貧しくなったり、生きてゆくのも青色吐息になっても、「民度」の低いことはしませんか? うまく行っている時なら、誰もそんなことはしません。でも、うまくゆかなくなってもそんなことはしない、と言うのであれば、その時初めてみなさんの「民度」が高いと言っても良いのです。 さて、グリーン星人の話をしましょう。私たちの星グリーン星には、現在30億ぐらいのグリーン星人が住んでいます。でも、30億のグリーン星人一人一人が、自分以外のグリーン星人全てを大切だと考えています。それどころか、グリーン星人は、自分の星にいる全ての生き物と自然もまた大切だと考えています。そして、わたしたち グリーン星人は、この宇宙に存在する全ての星と生き物を大切だと考えているのです。ですから、みなさんのように、特定なものだけを大切に思っているグリーン星人はたったのひとりもいません。私は、みなさんに大勢の人に大切にされる人生より大勢の人を大切にする人生の方が幸福だと言いました。みなさん、私たちグリーン星人は、この宇宙にある全ての存在を大切だと思っているのですから、どれほど幸福な人生かわかりますか? 失礼な言い方をすれば、みなさんは「民度」ではなく「星人度」が低いのはないですか? そこにいるやつが、私に、みなさんの星にいる理性ある人々がみんな「理力の暗黒面」に落ちていると言う事を聞いて、そりゃ「どげんかせんといかん」というので、ジェダイである私が乗り出しました。でも、さっき、みなさんのお話を聞いていると、とてつもないショックを受けました。みなさんの星では、「人が人から人を守る」のですね。あなたを守る風になりたいのは、「人」から大切な人を守るためですね。守ってあげたいのはいつも「人」からですね。 とても信じられない。ちょっとショックを受けました。今日はここまでにしましょう。ちょっと深く考えなければなりません。ほな、さいなら。 「グリーン星人さん、どないしたんでしょ?」 「私から、ちょっと説明させていただいてもよろしいでしょうか? ミミさんのいる星グリーン星では、「争い」や「戦争」というものが一度もありませんでした。それは、ミミさんたちグリーン星人は生きることそれ自体を「光合成」によって行えるので、「奪うこと」「奪い合うこと」が必要なかったのです。ですから、私たちとは異なる歴史と言うか経緯を持っているので、ちょっとショックだったのかも知れません。同じ種族で、しかも理性ある者同士の間で大切な人を「守る」ことをしなくてはならないなんて、信じられなかったのかも知れません。確かに、ミミさんはビタワン・ケノービさんから大昔の銀河の話は聞いていました。でも、実際に、「争い」や「戦争」や「諍い」の中にいる「理性的存在者」には会ったことも、話したこともないのです。だから、ちょっとショックが大きかったと思います。」 |
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